日々の想い(37)「教会と幼稚園⑥~どこで何を育てるのか~」

甲子園福音

2015年12月6日発行 103号

 

日々の想い(三七)「教会と幼稚園⑥~どこで何を育てるのか~」

 

先日、全日本私立幼稚園幼児教育研究機構による第一回目の園長・リーダー研修会が東京で開かれました。
その研修会の中で、これからの幼児教育について、政府や文科省が今どんなことを考えているのかについて、文科省の初等中等教育局長から話を聞きました。
それによりますと、あと約五〇年で現在の日本の人口は約三割減少(六五歳以上は人口の四割)、生産年齢人口(一五歳以上、六〇歳未満)は、あと四〇年弱で半減するというのです。

このように、これからの時代は、今までの社会を前提には対応できないものとなって行くのです。ですから、今後どのような人間を育てて行くのかが国の命運を左右するのであり、そこで重視されているのが幼児教育なのです。
様々なことが言われているとはいえ、現在の日本の基礎的な学力は世界でもトップクラスです。しかし問題は、クリエイティビティ(想像力、創造力)です。困難に出会ったときに、たとえ一度挫折したとしても、発想や方法を変えてもう一度やってみる、そしてそのために、他者とコミュニケーションをとり、思いを分かち合い、協力し合う、そのような力を養うのは、学校教育ではなく幼児教育においてなのです。

そういう意味において、幼児教育は人間が生きて行くための基本的な力を養い、これからの時代を担う人材を育てるためのとても大切なものとして、日本だけではなくて、今や世界的にその重要性が見直されているのです。

その研修会で何人もの講師が口にしていたのは、幼児の頃からお勉強をさせても、それが小学校で持つのはせいぜい一年か二年程度、そして幼児時代に十分遊びこみ、幼児として養うべきことを養っていないこどもは、とても弱いということでした。

帰りの新幹線の中で読んだ本の中で、次のような言葉に出会いました。「(小学校で)新しく出会う学習で、自分なりに考えたり、わからないことやできないことがあっても、あきらめずに取り組んだりすることが大切(であり、その土台となるのが)『自分は自分であっていい』、『ありのままの自分を認めてくれる人がいる』という自己肯定感です。豊かな遊びの世界を次の新しい学びへとつないでいくために、…一人ひとりに自己肯定感を形成することが大切なのです。」(長瀬美子『幼児期の発達と生活・あそび』より)

このように、幼児教育において重要なのは、ありのままの自分で良い、という自己肯定感を形成することなのです。そしてそれはまた、キリスト教の基本的なメッセージそのままなのです。
帰園後に副園長にその話をしましたところ、「やっぱり幼児教育は、もともとキリスト教から出たものだから、つながっているのですよ」と言われて、わたしも納得したのです。
そう考えてきますと、これからの時代を担う人間を育てるのが幼児教育であることを認識すると共に、教会もまた、次の世代に向けて果たすべき大きな役割があるのではないか、と思わされました。

 

(甲子園教会牧師・むこがわ幼稚園園長 佐藤成美)

 

一二月の礼拝・行事予定
○こどもの教会クリスマス 一二月一九日(土)午後一時
○クリスマス礼拝  一二月二〇日(日)午前一〇時三〇分
○クリスマス燭火礼拝 一二月二四日(木)午後七時三〇分