日々の想い(43)「イエスが渡すあなたへのバトン」

甲子園福音

2017年6月4日発行 121号

 

日々の想い(四三)「イエスが渡すあなたへのバトン」
渡辺禎雄「聖霊降臨」

五月十五日から十九日の五日間、瓦木中学校の二年生八人が「トライやるウィーク」として、むこがわ幼稚園にやって来ました。
今回やって来た八人はその全てがむこがわ幼稚園の卒園生ということもあり、かつて担任をした先生方も、当時の園児の成長ぶりを楽しみにしていました。そしてやって来た中学生たちは、こちらの予想をはるかに超えて、活き活きと、のびやかに、その成長した姿をみせてくれました。

在園児たちも、自分達に年の近いこの「お兄さん」、「お姉さん」に、まとわりつくように寄り添い、手をつなぎ、或いはよじ登りながら、トライやるウィークの時を楽しんでいました。
最終日には、毎年恒例になっている中学生の出し物があり、今年は「三匹の子豚」のペープサートが演じられました。
その準備のために中学生たちは、まずどんな出し物が幼稚園の年齢のこどもたちにふさわしいのかを、副園長にリサーチしました。そして、演目が決まったら、今度は皆で台本を考え、居残りをしながら人形や背景もすべて手作りしたのです。

当日、わたしもこどもたちと一緒に、そのペープサートを観させてもらいました。
劇の開始前には、二人の中学生が前に出て来て、これも副園長から教えてもらった簡単な手遊びをして、こどもたちの注意を集めてからの開演となり、そこにも中学生たちの園児に対する細かい配慮が感じられました。
そして出し物そのものも、作られた人形、背景、台本は言うに及ばず、大きくはっきりした声でのセリフ、人形の動きなど、本当に完成度の高いものとなっていました。園児たちは、中学生の熱演に声をあげて喜びながら、劇を楽しんでいました。

その日、一号の園児たちの降園後、これも恒例となっている教員による中学生の送迎会が行われました。
わたしが彼ら・彼女らの声を直接聞いたのは、これが最初で最後だったのですが、園児と接する中でうれしかったこと、難しいと思ったことなどを、思いおもいに、しかししっかりと話すその姿に接して、ちょっとおおげさかもしれませんが、わたしは久しぶりにこの国の将来に対する希望を感じました。
そしてそれと共に、果たして教会は、このような将来性溢れる世代に、しっかりと伝えるべきメッセージを伝えているのだろうかと問われているようにも思いました。

冒頭に掲げたのは、わたしが関わっている関西労働者伝道委員会が最近出版した関西労伝六〇年史のタイトルです。
このタイトルには、イエス・キリストがその宣教の業において示された人間の命に対する畏敬と愛というバトンを教会はしっかりと受け取っているのか、という問いが含まれています。
この四月から甲子園教会こどもの教会でも、実に数年ぶりに、部屋を設けての中高課の分級活動が始まりました。少ない人数ではありますが、着実に出席を重ねているこどもたちもいます。
これから教会にやって来る希望に溢れた中学生、高校生たちに、伝えるべき愛と平和のメッセージを伝え、イエス・キリストからのバトンをしっかりと渡して行ければと願っています。

(甲子園教会牧師・むこがわ幼稚園園長 佐藤成美)