甲子園福音
年月日発行 号
日々の想い(三八)「教会と幼稚園⑦~認定こども園とは?~」
二〇一五年四月から武庫川幼稚園は認定こども園となり、園名も「むこがわ幼稚園」とひらがな表記となりました。(武庫川女子大学付属幼稚園との混同を避ける意味もあります)
では認定こども園とはどのような施設なのでしょうか。
幼稚園は文科省のもとにある学校教育法に基づく学校教育機関、保育園とは厚労省のもとにある児童福祉法に基づく社会福祉施設です。しかし認定こども園は、内閣府、文科省、厚労省のもとにあり、子ども・子育て支援法に基づく施設なのです。
この認定こども園には四つの型がありますが、むこがわ幼稚園はその内の幼稚園型認定こども園ということになります。(その他、幼保連携認定こども園、保育所型認定こども園、地域裁量型認定こども園があります)
幼稚園型認定こども園というのは、認可幼稚園に保育所機能がついた施設ですから、ひと言で言ってしまえば、幼稚園に保育園が合わさったものということになるのですが、しかし実際には、それ以上の働きをしています。
まず認定こども園となってそれまでの幼稚園と変わった点のひとつに、園と保護者の関係があります。
これまでならば、保護者が減収となり、保育料が払えなくなった場合、園児はやむをえず退園ということになった訳ですが、しかし、認定こども園では、保護者の収入に応じて市町村が保育料を決定しますので、極端な場合、保育料が0円となることもあるのです。その場合、園に対しては市町村から公定価格の支払いがなされますので、親の状況に左右されず子どもは園に通い続けることが出来るのです。ですからまた、園と保護者の関係性も継続され、しかもそれは、プライバシーにまで踏み込んだこれまで以上に深い関係とならざるを得ないのです。
また、認定こども園に求められているのは、自園に通うこどもたちの保育・教育だけではありません。地域における子育て支援を、地域の民生委員や町内会等との関わりを深めながら、実施して行かなければならないのです。そのためむこがわ幼稚園でも、月に一回ほど副園長が地域の子育て支援サークルに足を運んで、保育援助の働きを始めています。
そして更に認定こども園では、園に通う子ども以外の地域の子どもの一時預かり保育も行わなければなりません。学童保育に準じる働きのための場所の提供を求める声も地域から出始めています。
このように、地域における子育ての一つの拠点となって行くことが、認定こども園には求められているのです。そしてそのためには、保育者の確保は勿論のこと、様々な働きに対応するための教室等の施設の拡充もまた必要となってくることでしょう。
以上述べてきましたように、認定こども園となったことで、むこがわ幼稚園では、子どもを中心とした保護者との関わり、地域との関わりがますます深まって行く状況にあります。そしてこのことは、地域に根差す宣教を展開するために幼稚園を設けた甲子園教会の、その本来の意図にも合致するものだと思われます。
認定こども園としての幼稚園の働き、それはただ単に信者を増やすための伝道ということではなくて、地域に住む人たちと出会い、関係性を築いて行くための宣教の働きなのです。
新しく与えられた認定こども園というツールを、しっかりと宣教の業に用いることが出来ればと願っています。
(甲子園教会牧師・むこがわ幼稚園園長 佐藤成美)
一月の礼拝予定
○成人祝福礼拝 一月一〇日(日)午前一〇時三〇分~